「季里…本当に大丈夫ね?あぁ、でもやっぱり心配だわ…ねぇ…やっぱり今からでも船で通える私立に変えたら??」


不安そうに私を見つめる母は、小さくため息をついて、そんなことを言い出す。


「もう…お母さん、そんなに心配しなくても、この前ちゃんと一緒に下見に行ったし、地図や乗り換えはスマホ見ればすぐ検索できるし、大丈夫だって」


そんな過保護な母に苦笑いを浮かべつつ、私はスマホを見せると、側に置いてある荷物を持った。


…これ以上いると、お母さんがまた心配して色々言い兼ねない。


「じゃ、もう行くよ。この船逃したら飛行機に間に合わなくなっちゃうし。お父さんにもよろしく言っといてね!」


「…季里、無理はしないようにね。きつくなったら、いつでも帰ってきなさい。あと、ちゃんと定期的に連絡しなさいよ?お父さんも心配するから…」


「わかってるって、それじゃ、行ってきます」


元気よく、本土へと向かうフェリーに乗り込み空いている席に腰を下ろした私は、ようやく一息つく。