晴人さんに耳を塞がれて、里見さんと何を話しているのか聞こえない。 だが、周りの女子社員は晴人さんに見惚れているし、私へは嫉妬の目を送ってくる。 ようやく耳が解放されて、晴人さんと部署を出る。 「あの、さっきなにを…」 「ん?依里ちゃんは俺のって、みんなに言っておいたんだ。 依里ちゃんは可愛いから、狙われないか心配」 「だ、大丈夫ですよ。誰も私のことなんて見てないです」 「自覚がないところが、余計に心配なんだけどね…」