「なに?」

依里がいなくなったと報告があったのは、俺が出張に出てすぐだった。

今回の出張は、どうしても俺がいかなければいけない案件で仕方なく出張に出たのが仇になった。

(最悪だ。出張なんて適当な理由をつけて断ればよかった)


すぐに東京に帰り、依里を見つけることに集中した。

「…空港に向かい、海外に飛んだことまでは掴めています」

「なら、俺もすぐに飛ぶ」

「え、いや、しかし…」

「今は仕事なんてしてる場合じゃない!さっさと準備しろ!」

「わ、分かりました」