もう枯れるほど流したはずの涙は、まだまだ留まることを知らないようだ。 「っ、ぅ…」 晴人さんが確実に会社に行ったと確信できるまで、部屋から出ることはできない。 そして遠くへ行くことも。 その時が来たら、すべて忘れないと。 晴人さんの優しさも、温もりも。 生まれて初めて知った好きというこの感情も、すべて。