「それだけ?警察に突き出すこともできるよ?」 その言葉に首を横に振る。 「大事にしなくていいの」 「…分かった。ならそうしようか。今日は泊っていって」 「はい…。迷惑かけてごめんなさい」 「謝らないの。依里は何も心配しなくていい。…おやすみ」 腫れていない方の頬にキスをされ、晴人さんの腕の中で安心して眠りにつく。 ーーあの二人が現れても何も聞かずに、すぐ正体がわかったのはなぜだったのか。