例外なく、今日もやはり小日向は宇賀山に連れられて、居酒屋に来ていた。

二人はビールを注文すると、「おつかれ」と言って、乾杯した。

宇賀山は小日向がビールなのを見て、「お前いつもハイボールじゃなかったか?」と言うと、小日向は「たまにはいいだろ」と言った。

宇賀山はそんな小日向の様子を見て、「ふーん、お前溜まってんなぁ」とにやにやしながら言った。

小日向は「何がだよ」と言い返すと、宇賀山はやはりニヤついて「ほら、下の方が。最近抜いてるか?」と下世話なことを言ってきた。

小日向は「お前、仕事終わりに下ネタはやめろよ、気持ちわりーよ」と宇賀山を怒った。

しかし、そんなことで宇賀山がへこたれる訳もなく、「こころちゃんでいいじゃん」とまたもやいらないことを言ってきたので、小日向は呆れて言い返す元気もなかった。

宇賀山はそんな小日向を見てやはり嬉しそうだが、宇賀山は小日向のスマホが気になっていた。

前に見たひなこちゃんとのLINEは割といい感じで、珍しく小日向が心を開いている様だったので、続きが気になった。

しばらくして小日向がトイレに立つと、宇賀山はすぐに小日向のスマホを取り、ひなことのLINEを盗み見た。

トイレから帰ってきた小日向は、席に戻ると、またもや宇賀山がLINEを勝手に見ていたので、「おい」と言い、それを取り上げた。

宇賀山は「あぁーん」と気持ち悪い声を出していたが、小日向は許さないぞという顔をした。

宇賀山はひなこと小日向のLINEを見て、あちゃー、こりゃまた心を閉じてるなと思った。そして、どうやらその原因は先週の金曜の飲みの時にあったなと推理した。

そして宇賀山は「お前相変わらずだな。これはひなこちゃん可哀想だよ」と言った。

小日向はそれを耳半分で聞き流し、「余計なお世話だよ」と言った。

宇賀山はこいつはほんと俺がいないと駄目なんだからと思い、小日向から再びスマホを奪い取った。

小日向は「おい」と声を上げたが、宇賀山は相手にしなかった。

そして宇賀山は「ごめん、俺が悪かった」「最近仕事が忙しくてイライラしてて、ひなこに当たってた」「花火行こっか」といかにもなLINEを送った。

小日向はちゃっかりひなこ呼びしてるのが許せなかったが、送ってしまった以上、もう後には引き下がれなかった。

宇賀山は「さぁ返信来るかなぁ」と楽しそうにしていたが、小日向は来ないだろうなと思った。

するとピロンと通知の音がし、なんと予想に反してひなこからはすぐに返事が返って来た。何でだよひなこと小日向は思った。

宇賀山は「さすがひなこちゃん」と早速LINEを開けた。小日向は「待てよ」と言ったが、宇賀山は止まらなかった。

ひなこは「そうだったんですね」「やったー」と返信を送って来ていた。小日向はいつもより素気ない気がすると思ったが、こんなもんかとも思った。

どうやら宇賀山もそう思ったらしく、「まぁまずまずだな」と言った。

そして、その後は二人で飲み明かしたのだった。