永山ひなこ(ながやまひなこ)は最近親友の徳永美織(とくながみおり)と屋台に通っていた。半月前に、たまたま東京から来た友達に行きたいと言われ入った屋台がここ、「なべちゃん」だった。

そこの屋台は、店員さんがみんな若く、特にひなこはそこの廉さん(れんさん)に一目惚れをし、いつの間にか常連となっていた。廉さんもひなこのことを常連にしようと考えていたので、LINEのやりとりなどを積極的に行い、見事、その通りとなったのだった。

美織は、ひなこが中学からの同級生で、クラスが違ってもずっと仲良くしていた。一足先に、美織は中学から付き合っていた一つ上の先輩と結婚した。しかし、美織は男好きで結婚してからもたまに夜遊びに出掛けていた。ひなこの大学が落ち着き、度々会うようになると、多少はましになったが、かわりに飲み歩くようになった。

頭の良いイケメンの旦那さんからは、美織が大学に行ってないことから、「失った青春を取り戻してるんだね」と意味深なことを言われていたが、美織はどこ吹く風である。ひなこはそれは事実上の注意勧告ではないかと思ったが、そんな呑気な美織を羨ましく思った。

ひなこは彼氏と一年前に別れてしばらくいなかったので、今度こそイケメンと付き合ってやると燃えていたのだった。