バーで会って数日たった、あくる日のこと。

『あーやはちゃん』

「えっ、あ…氷室さん?」

学校の帰り道に、王蝶こと彩羽ちゃんを
通学路の途中で待ち伏せしていた。

制服姿で立っている俺をびっくりしたように目を見開いていた彩羽ちゃん。

夜の姿とは打って変わってしおらしく
かわいい。

いつも…って言っても最近だけど、
夜にしか会ってなかったからか、
明らかに戸惑ってる。

それもそうか、とりあえず何か口実を
告げないとストーカー疑惑を持たれかね
ない。

ストーカー被害とかいって警察に届けられたら最後、俺の人生も初恋も終わる。