一期一会。−1−

チラっと氷室さんの方を見て、
私を笑顔で見下ろす。

なんて、心遣いが上手なんだソウ君は。

ますます大好きになっちゃうじゃん。

…大好きだけど。

その笑顔を見ていたら、何だか落ち着いて
きた。

「大丈夫だよ。

 お前は何があっても俺の大切な弟子だ」

ポンポンと私の頭をなでてくるソウ君に
また泣きたくなる。

私の涙腺を破壊する気かな!

なんでそんなに優しいのかな!

私は一人でも、ソウ君が味方でいてくれる
なら、側にいてくれるなら、
それだけでいいのに。

…それだけで、私の救いになってること。

ソウ君は、わかってないよね。