一期一会。−1−

『絶対やだ!』

「えっ、なんで!?」

ガタッと席を立つ私に、本気でショックを
受けてる氷室さん。

た、たしかに喧嘩強いし、優しいし、
カッコイイけど。

私…この人にGPSつけられたんだよ!?

安心して任せられる要素ある?!

それに。

私を守るのは、ソウ君だけでいいよ。

むしろ。

ソウ君じゃないと、やだよ。

『…ソウ君がいい』

私は、それだけで、強くいられるのに。

フードを被っているから、表情までは、
見えないはずだけど、悲しくてしょうがなかった。

今まで、ソウ君は〈俺が守る〉って、
言ってくれてたじゃん。

私、すっごく嬉しかったんだよ。

…それなのに、どうして?

「落ち着け王蝶。

 誰もお前のことを見捨てるなんて
 言ってねぇよ。

 ちょっと座れ。」