変装もない、喧嘩もしない、
そんな私はどこにでもいる中学生なんだ。
コミュ力もなく、地味で、目立ちもしない
存在。
男性に免疫もなければ、経験も全くない。
私は、“王蝶”でなければ、一体何が
できるんだろう?
「怪我してるよね、手当しようか?」
目も合わさない失礼な女に、そんなに
優しくしないでよ。
私なんかに、王子様は似合わないんだ。
優しく笑って歩み寄ってくる彼に、
私は胸が痛くなって、とっさに手を突き出していた。
反射みたいに、無意識で。
いくつも、そうやって優しさと悪意を
振り払ってきた。
善意と隠された悪意や下心を、
共に見分けようともせずに、
拒絶してきた。
喧嘩でなら、あの姿でなら、
まともに関われるのにね。
私って、いつまでこんななんだろう。
まとまらない頭を制して、とにかく
口を動かす。
お礼くらいなら、言えるはずだから。
『ご、ごめんなさい。
助けてくれようとして、
ありがとうございました』
こんな時だって、堂々とできず、どもって
しまう。
臆病者、と心の中で、ひとりごちた。
ペコリと一礼してから、私は踵を返した。
この人は、近付いてはいけない人。
拒絶なんて、失礼だとは分かっていたけど
そうすることしか選べない。
そんな私はどこにでもいる中学生なんだ。
コミュ力もなく、地味で、目立ちもしない
存在。
男性に免疫もなければ、経験も全くない。
私は、“王蝶”でなければ、一体何が
できるんだろう?
「怪我してるよね、手当しようか?」
目も合わさない失礼な女に、そんなに
優しくしないでよ。
私なんかに、王子様は似合わないんだ。
優しく笑って歩み寄ってくる彼に、
私は胸が痛くなって、とっさに手を突き出していた。
反射みたいに、無意識で。
いくつも、そうやって優しさと悪意を
振り払ってきた。
善意と隠された悪意や下心を、
共に見分けようともせずに、
拒絶してきた。
喧嘩でなら、あの姿でなら、
まともに関われるのにね。
私って、いつまでこんななんだろう。
まとまらない頭を制して、とにかく
口を動かす。
お礼くらいなら、言えるはずだから。
『ご、ごめんなさい。
助けてくれようとして、
ありがとうございました』
こんな時だって、堂々とできず、どもって
しまう。
臆病者、と心の中で、ひとりごちた。
ペコリと一礼してから、私は踵を返した。
この人は、近付いてはいけない人。
拒絶なんて、失礼だとは分かっていたけど
そうすることしか選べない。



