一期一会。−1−

頭から打ったんかな、ご愁傷さまです。

心の中で、そっと手を合わせた。

後で、警察にでも回収してもらお。

私はというと、倒れてる男の足元に
座り込むようにして崩れ落ちた。

そして、気まずい沈黙。

「『………』」

作戦は大成功を収めた。

ラッキー中のラッキーな展開だったね。

残った私達は、お互い何も言えずに
固まっていた。

ここからが、本気の勝負だと思う。
 
ごめんね、王子様、私はお姫様には
なれないの。

守られるつもりもない。

しばらく、黙ったあと、スッと立ち
上がって、イケメンと向き合う。

イケメンは、何か言いたそうな顔をして
話しかけてくる。

「大丈夫?」

あぁ、やっぱりこの人は私に優しくする。

そういうのは、ソウ君だけでいいのに。

普通の女の子だったら、きっと、もっと
可愛らしく頬を染めたりするんだろう。

でも、私にしたって…何にも意味がない。

『…だ、大丈夫です』

さっき見つめ合えたのが嘘みたいに、
視線を上げられない。

素顔で誰かと関わることが、どうしても
怖い。

…所詮、“王蝶”の姿だって、仮初なんだと
痛いくらいに実感する。