一期一会。−1−

明るい場所で対面するとか、バレたら
終わりじゃん。

私は、彼の登場が予想外すぎて固まって
いた。

…って、この人!

私にGPSつけた人じゃん!?

あの日ストーカー紛いのことをされて
怖くなった私は、忘れることもできず
脳にこびりついていたのだ。

あれを忘れろなんて無理だよ?

そんな変人とDragと出くわすなんて、
恐ろしい事態だ。

本気で逃げ出したい。

対して、Dragの男達は“青火”という名前に
反応してビビっているように見えた。

「…こ、こいつ、青火高校のトップ
 じゃ?」

「はっ?!“凍華”?なんでこんなところ
 にいんだよ」

ヒソヒソ話してるつもりらしいけど、
丸聞こえなんじゃない?

奴等の話を聞きながら一旦状況を整理整頓
する。

このカオス空間をどう理解したらいいか
わかんないけど、うん。

…えーっと、私は今犯罪グループの
“Drag”の人質で、目の前のイケメンは
私の中学校の近くにある青火高校の
トップである“凍華”。

…と、いうことは、この人はこの街で
有名な喧嘩最強の四天王の一人?!