一期一会。−1−

ソウ君から、気を付けろと警告されては
いたが、完全にタイミングが宜しくない。

こんな住宅街の真ん中で、変装無しで
戦うのは無理がある。

身バレ危機どころじゃないよね!

逃げもせずに突っ立っていたことが、
致命的なミスに繋がるとも知らずに、
私はその男達に早速見つかってしまった。

「あ、女だ!」

「アイツ人質にしよーぜ」

「任せろ」

「誘拐して身代金もらうか」

『…あ』

見つかって数秒後、私は犯罪グループの
一人に捕まえられて、首元に腕を回され
ナイフを突きつけられる。

まさに、一生の不覚。

…BADENDじゃないか、これ?

ナイフって…朝から殺傷事件でも起こす
つもり!?

平気な顔して、ナイフを扱うこいつらの
正気を疑う。

さっさと逃げれば良かった。

面倒なことに巻き込まれてしまった。

人質にされるというハプニングに内心
びっくりしつつ困惑していた。

…なんでこんなことがタイミング良く
起こるわけ!

まるで謀ったみたいじゃん。

裏に誰かいる的な伏線ですか!?