一期一会。−1−

「「…誠に申し訳ございませんでした」」

『…別に怒ってなんかいませんよ。

 私に謝るくらいなら早く仲直りして
 下さい』

正直にかつ、バカ丁寧に謝る二人に、
わざと腕を組んでツンと顔を背けた。

「…葵、今まで酷いことして、ごめん」

「…俺の方こそ、傷つけてごめん」

二人の仲直り会議に私や他二人は
黙って見守る。

部外者は口出し厳禁なのだ。

…にしても、素直に謝れるんだね。

へー、最初からそう言い合えれば
良かったのに。

でも、まぁ…そうじゃなかったら、
こうなりはしないよね。

…類は友を呼ぶっていうか…お互い不器用。

「…ねぇ、一年前の冬、時雨達と別れる
 前のこと覚えてる?」

氷室さんは、寂しげに笑う。

それを見て、来宮さんは目を逸らし、
「何だよ」とぶっきらぼうに返す。

ツンデレが許されるのは二次元だけだから
な?

私だったら、一発殴ってると思う。

聞きたいくせに、素直じゃないんだから。

けれど、氷室さんは、笑みを崩さずに
続けた。

「…言いかけたこと、今言わせて」

一年前の冬、伝えられなかったことが
あるらしい。

来宮さんは、ハッとしたような表情で、
氷室さんの方を見た。

目が合わさる時、言葉が紡がれる。

「…“俺は、離れててもずっと、
 幼なじみでいたい”」

それは、紛れもなく友情の証だった。

温かさがこもる優しい微笑みを浮かべて
言った氷室さんに、来宮さんは、大きく
目を見開く。

そして、その目に、じわじわと溜まっていく
もの。

…やっぱり、嫌い合ってるとか、嘘
じゃん。