ハテナを浮かべる私に、ソウ君は
何でもない顔をして告げる。

「あぁ、アイツ彼女いないから。

 …てか、いるわけないし。

 愛って女はとっくに振ったってよ。

 あの子、来宮に操られてただけなん
 だと」

途中、さり気なく氷室さんのことディスってるのわざと?

『…っはぁ!?』

種明かしにしては、内容ひどくない?

愛…さんは、来宮時雨に操られてたの!?

てことは、来宮時雨が好きなのに、
あんなことさせられてたの?!

好きっていうのも、あのキスも全部
偽りなの!?

さいってー、私の涙返せ!!

…でも、なんで、私の二人のキスを見て
傷ついたんだろう。

ふしぎ…と首を傾げていたら、
ソウ君は寂しそうに私の頭を撫でた。

…え、何、そのわが子を旅に出す親の
顔して。

「…もう一回、話し合ってこいよ。

 あの三人、ドルチェに呼び出しといた
 から」

『…へ?』

あの三人って?

しかも、現在完了形!?