一期一会。−1−

「こぇーな、アイツも。

 本気すぎて引くわ」

ソウ君の言葉なんて耳に入らず、
顔を真っ青にしてアタフタする私。

『えっ、え…?何?ストーカー??』

人生で体験する日が来るとは思わなかったよ!

やだ怖い、いつのまに!?

警察に相談案件では?!
 
今日は、喧嘩して、謎のイケメンに
出会っただけなのに…!

こ、これは身バレ危機では?!

なんで…って、ハッ!

思い出したのは、追いかけもせずに
私を見つめる謎のイケメン。

もしかして、私にGPSつけたから、
追わなかったってこと?

怖すぎるわ!おまわりさーん!

『こわ…』

腕を組んで怯えたフリをしていたら、
ソウ君は他人事のようにケラケラ笑って
言ってきた。

「これはやりすぎだな。

 でも、お前…有名になってきたし、
 本気で気を付けねぇと、
 身バレして、
 SNSでさらされるかもな」

『サラッと怖いこと言わないで!』

SNS恐るべし。

どんな怪談より恐ろしいわ!