一期一会。−1−

『わっ!?』

抱き締める形で密着してくるソウ君に、
戸惑う。

いくら私の師であり恩人であったとしても、
目前の美形は心臓に悪すぎる。

別の意味でヒヤヒヤしちゃうよ?!

ソウ君はというと、眉にシワを寄せながら
私のパーカーの裾に付いてたらしい何か
を手で取る。

そして、そのまま手のひらにのせるや否や
粉々に砕いた。

グシャッとえげつない音がした。

近くで見ていた私は、呆然としていて。

え、何してんの?!

ソウ君は平然とそれを壊し、気が済んだらしく私から離れちゃったけど。

状況の説明please!?

『え、…今の何?』

聞かないほうが良かったんだけど、
聞かずにはいられなかった。

ソウ君は、私の方を向くと、表情を変えずに口を開いた。

「GPSだな」

………。

『じっ、GPSぅ…!?』

あぁ、嘘でしょ…?

聞き間違いであってほしい。

てか、全て悪い夢であってくれ。

あまりに普通の顔をしてゴミ=GPSみたいに言うソウ君が信じられなくて、開いた口が塞がらない。

GPS付けられるとか怖すぎるんですが!