『黃鳥だけど』

「え、そうなんだ、一緒だね」

“仲良くしてね”なんて人が良さそうに
笑って言ってるけど。

“一緒だね”?!

「友達が同じ高校に行くんだ。
 ついて行こうと思って」

そんな偶然ってある!?

『そ、そっか』

それしか言えなかった。

高校同じとか…古立と近づくの危険かな。

最悪、正体を疑われるかもしれない。

何だこの激むずミッションは!

「あ、ホームルーム始まる。
 じゃあ、またね」

爽やか好青年、頼人。

『うん』

…衝撃事実、発覚。

頼人と高校ダブった…。

数学の授業で、ノートは予定通り回収
された。

情報サンキュー。

何事もなく一日を終えて、頼人とも
挨拶して下校。

しかし、校門を抜けると同時に、ピタリと
足を止める。

そこには、何時ぞやのイケメンさん。

…えーっと、確か、来宮時雨さん?

「あ、彩羽ちゃんだ、こんにちは」

『…こ、こんにちは』