一期一会。−1−

ー「…っ、そ、れは…」

俺の言葉に、葵は、絶句していた。

これは、完璧な八つ当たりだった。

葵が、どの道を選ぼうが、俺にそれを
止められる権利なんてない。

…でも、それでも。

俺は、酷い言い分を取り消せなかった。

葵の選んだ道を応援もできない、不正直で
わがままな餓鬼だった。

ー『…なんだ、言えねぇんじゃん』

俺らって、そんな浅い関係だったのか。

本音も言い合えない、仲だったわけ?

急に、沸騰した怒りが、冷めていった。

俺は、掴んでいた胸ぐらから手を離す。

言葉に詰まる葵に一方的に捲し立てた。

ー『お前なんか、幼なじみじゃない。

  二度と、顔見せんな』

ー…人生で、一番酷いことを言った。

ー「…ぇ、しーくん?」

ー『行くぞ、愛』

泣いてた愛の腕を引いて、葵の前から
消えた。

あのとき、葵はどんな顔をしたんだろう。

その日から、俺と愛がいるところに
葵が近付くことはなかった。