それでこそ、ソウ君!

『ありがと』

「…あぁ」

ルンルンで返せば、ソウ君は声を低くして
忠告してきた。

「だけど、同級生になる古立和には
 近付くなよ」

古立…って、あの若頭か。

先回り情報をどうもありがとう。

ソウ君ったら、何が何でも巻き込みたく
ないってか。

わかってるよ、危険だもんね?

下手に関われば、命が落とすかもしれない。

でも、私の覚悟を侮らないでよ。

『わかった』

古立和が、古立組の若頭。

水面下で揺らめく影の気配に、私は
目を光らせておけばいい。

従順に頷いておきながら、私は首を突っ込む気満々だった。

大人しくJK生活するつもりはないから。

これは、私のエゴで、身勝手な望みだ。

ソウ君の役に立てるなら、何だってする。

全ては、恩人であり、敬愛なる師である
ソウ君のため。

電話を切ったあと、ベットに寝転んで、
天井を仰ぐ。

『…見ててよ』

ー…“王蝶”としての、本気を。