開口一番に言った。

『ソウ君、私、黄鳥高校に行く』

電話の向こうで息を呑む気配がした。

「…えっ、う、黄鳥?」

突然の宣言に、びっくりしているソウ君。

戸惑うのが当たり前だと思うよ。

今朝迷っていたはずの進路の決断を、
あっさりしてしまったからね。

それに、黄鳥高校には、今、敵対中の
組の若頭がいるんだもんね?

そりゃそうだ、でも、迷いはない。

「どうして、そこなんだ?」

当然の質問に、私は、笑っていう。

教えないよ?ソウ君が本当のことを
言ってくれないと。

『理由はない。

 どこでも、応援してくれるんだよね?』

言質を取った私は、有無を言わせない。

ソウ君…男に二言はないよね?

笑顔で圧をかければ、私のお願い(脅迫)
にソウ君は折れざるを得ない。

「…わかった、手配しとく」

私の、勝ち♪

ほら、そうなった。

にっ、といたずらっぽく笑う。