一期一会。−1−

頭を抱えてしゃがみ込み、悶える
彼(彼女)に、私と氷室さんは、二人して
同情していた。

見てるだけで痛そう…。

「いきなり何するの、白鷺!」

うるるん、と可愛すぎる涙目の上目遣いを
繰り出す桃李さん。

「自業自得だろうが、セクハラ野郎」

しかし、白鷺さんは容赦がなかった。

せ、セクハラ…。

顔を完全に上げた桃李さんは、むかついた
らしく白鷺さんを睨みつけていた。

両者どちらも引かず、火花を散らす
最悪ムードを見ないふりして、亮さんが
持ってきてくれたケーキを受け取る。

見ざる、言わざる、聞かざる…。

『いただきます』

「どうぞ」

今日の亮さんは、ラフモードらしい。

前のは心臓に悪いから、これくらいがいいや。

手を合わせて、フォークを取る。

サクッと一口サイズに切って、口に運ぶ。

そして、もぐもぐと味わうのだ。

『…おいしい』

…まさに、至福。