一期一会。−1−

ぎゅむっと音がして、力いっぱい抱き締められた。

今日は、女の子の格好らしく、かわいさ
満点だ。

こうしていると、本当に女の子にしか
見えないんだよね。

この間は、男の子の格好もしてたけど、
どちらもいたく似合っていた。

『…ありがとうございます』

お世辞だとは分かっていたけど、
素直に受け取っておく。

まぁ、純粋に褒められるのは嬉しいものだ。

抵抗せずにお礼を告げたら、
「かわ〜!」と叫ばれ、更に力が増す。

痛い痛い!

「桃李、そんな力込めるなよ。
 彩羽ちゃん困ってるでしょ」

ナイス、氷室さん。

「やーだ」

可愛らしく反抗してるけど、私が窒息死してしまう!離れて!?

「さっさと離れろ、阿呆」

「いだっ!」

白鷺さんが、不意打ちでスパーンと
桃李さんの頭を素手ではたいた。

桃李さんは、ようやく私から離れた。

それはそれは、大きな音で、ハリセンでも
使ったんじゃないかなと思ったほどに
痛ましかった。

いやー、いい音したなぁ。