恐らく、俺が葵と仲良いのも全く
知らないだろうし、急に現れたら
驚くに違いない。

ま、サプライズってことにしておこう。

あの日の彩羽はドジで可憐なイメージ
だったけど、恐らく葵を惚れさせた
“何か”を持っている。

これは、“予測”ではなく、“確信”だ。

あの“凍華”をここまでメロメロに溶かし
てしまうんだから、普通の女じゃ
ありえない。

「えー、僕コイツとライバルとかやだ」

「わがまま言わないの」

「だってー」

俺を天敵扱いする桃李を、内心鼻で笑う。

俺にとって、ライバルは“葵”だけなんだけ
どな。

葵から宥められている桃李からスイと
目を逸らす。

さて、用事も済んだし、帰るか。

気まぐれな俺はさっさと青火高校から
出ていく。

そんな様子を青火高2トップは、呆然と
見ていましたとさ。

「「何なんだ、アイツ…」」

その後、俺は有功から3時間の説教を
受けることになった。