何より、言ってる自分が気持ちわりぃし。

不躾な方が、俺には丁度いい。

『別にいいだろ。

 お前らのもんじゃねぇし』

もの扱いなんてしたら良くないが、
俺はザクリとナイフで刺すかのように
突き返した。

勝手に、自分達の私物化すんなよな。

俺の反撃に桃李は、「ムカつく!」と
敵意を剥き出しにして睨みつけてきた。

はっ、全然怖くねぇよ。

女顔が睨んだところで、
そんな迫力ねぇし。

ムキーッとヤケになってる桃李を無視。

葵は何かを覚悟したのか、真摯な眼差しを、俺にぶつけてくる。

「…わかった。
 それなら、正々堂々勝負しよう」

こうなったら、もう止まらない。

このとき、俺と葵はライバルになった。

彩羽は、一体どんな顔をして俺を
見てくるだろう。