他に探しものがある、とか言ってたし。

普通の高校生は、もっと自分の情欲に
真っ直ぐだと思うんだが…。

かくいう俺も、そんなに女と付き合うこと
に興味がないから、人のこと言えねぇん
だけど。

…でも、美女を侍らせて、数多の女よけ
くらいにはしていいと思うのが本心。

ゲスい考えか?

そんな考えの中、俺は葵に噂について
聞くべきか本気で悩んでいた。

当たっていたらそれはそれで問い詰めて
しまいそうだし、外れていたらいたらで
何か残念な気持ちになりそうだった。

しかも、日頃恋愛にうつつを抜かさない
やつ相手に恋バナって、勇気いるよな。

聞くに聞けずにいた俺は、ある日偶然
見かけてしまった。

赤城高校のエリア内にあるカフェに
入っていく葵と一人のフードを被った
女。

あのパーカーは、間違いなく葵のだ。

それを見て、噂が本物だと理解した。