一期一会。−1−

彼もまた、階段を降りているらしい。

嘘、こんなときに人がいるよ!

下ら辺にいるけども。

やばいっ、あの人も巻き込んじゃう!

悲しいかな、私の丁度ぴったり前に
いる。

私は、己のドジに、巻き込むのは申し訳
無さすぎて、叫ぶ。

『避けてっ!』

このまま行けば、確実に餌食になる。

私の一声に、男子生徒はぱっと後ろを
振り向き、目を瞠る。

あ、この人、イケメンだ。

って、そうじゃなくって!

避けるかと思いきや、その腕を広げて
私を受け止めた。

…受け止めた!?

嘘でしょ!?かなり無理があるよ!?

ガシッと、私を包み込むと、彼は数歩
後ろによろけて地面に、押し倒された。

ドサッ。

…っ!

心臓がどくどくと激しく音をたてる。

前に倒れながらも、擦りむいた程度で
済んだことに安堵した私は、抱きしめられていることを忘れていた。

もう少しで大怪我か死の、
デッド・オア・デッドだったよ!

どう転んでもバッド・エンドだったね!

ドジすぎるわ、私。

油断大敵、と心の中で復唱、胸に刻んだ。