一期一会。−1−

優しい兄にすら、見捨てられたんだ。

前なんか向けずに、ただ長いこと
自暴自棄に陷っていた。

誰の言うことも聞かずに、人を無作為に
傷つける日々。

そんな毎日に、疲れ切っていた。

施設に入ってから数年後に、小学3年生になった私は、変化に出会う。

それは、忘れもしない、私が喧嘩を
始めたきっかけ。

世界を呪う私を、救けてくれたもの。

夕方、一人で誰もいない遠くの公園で黄昏れていたら、偶然、たちの悪い不良に
絡まれ、喧嘩しているソウ君に出会った。

目の前で、華麗に倒していく姿。

その強さに惹かれて、しばらく動けな
かった。

感動と憧憬で、胸がしびれる。

ー「ん?こどもか?
  こんなところにいたら、危ないぞ」

染められた茶髪をワックスで固めて、
カッコいい顔をした高校生が、私の方へ
歩いてくる。

当時、人見知りだった私は、目を泳がせて
もじもじしていた。