僕と葵は止めることもできずに、
取り残されてしまった。

こんなの、気まずさしかないよ…。

二人して、嫌われたかもしれない。

初対面(王蝶の姿では)のやつに聞かれて、答えてくれたのに。

葵は、テーブルに両肘をつき、頭を
抱えて出す。

「あー…、どうやって声かければ
 よかったんだろう」

『僕も、わかんなかった』

シリアスな話題に、困惑してしまう僕等は
まだまだ子供だ。

“王蝶”は、彩羽ちゃんにとって、それだけ
大切なものだってわかった。

…だから、僕のもつ両生類を、ある意味
共感してくれたのだろう。

自分を守るために、自分が自分で
いられるために。

彼女も、きっと、演じてる。

…ごめん、彩羽ちゃん。

何も言ってあげられなくてごめん。

でも、これから、どんな君でも受け止める
から。

…だから、どうか心を閉ざしてしまわない
で。

一人で戦う必要も、耐える必要もない。