一期一会。−1−

「…ねぇ、なんであの人までいるの?

 僕、教えていいなんて一言も
 言ってないんだけど?

 殺されたい…?」

自殺願望なら聞くよ、疑問形ですらない
質問をする王蝶は、鋭い殺気を葵に
向けた。

今にも、葵に掴みかかりそうな勢いだ。

その殺気の強さといったら…、
思わず後ずさりしてしまうほど、
肌に突き刺さる。

怖すぎでしょ…、殺気だけで死にそう!

僕だったら、確実にここで逃げてる。

でも、葵は変わらず笑顔で、
殺気立つソイツをなだめる。

「ごめんね。
  
 でも、時間の問題でもあるから。

 桃李なら受け止めてくれるよ」

なんとこの状況で説得を始めた!

いや、無理がありすぎる。

『…そんなの頼んだ覚えない。

 おせっかい、偽善者』

毒舌が、葵をグサグサ容赦なく刺して
いく。

僕はいたたまれない面持ちで見守って
いた。

おかんと反抗期の娘みたいだ。