それだけが、はっきりと理解できたよ。

裏切られるのは、怖いけど。

それ以上に、この人達を信じたくて。

…もう一度、信じてみてもいいのかな。

「あや、私と友達になって」

私の手を取って、ニコッと笑いかける
桃李さんに、私は迷わずうなずいていた。

『…はい』

…信じたい。

「…っ、笑った!?」

「や、っば!かわ…」

「リアル天使か」

無自覚だったけど、どうやら笑えていた
らしい。

ん?と頬を押さえると、いつもの無に
戻っていた。

三人は揃って赤面して、私を見つめて
いた。

…私、“王蝶”の姿じゃなくても、
ここにいてもいいのかな。

…頭を過るのは、苦しい、辛い過去の記憶。

ー「アンタなんか要らない」

今でも、哀しい。
















…“彩羽”は、いてもいい?
















……ううん、迷ってちゃだめだよ。

私が選んだんだから。

そう言い聞かせて、チラつく影の記憶に
そっと蓋をした。