一期一会。−1−

私の声のトーンが下がり、殺気がほのかに出たことでビビった男は言い訳するかのように声を荒げた。

…ふぅん、殺される…ね。

その言い方だと、裏に黒幕が潜んでいる
ってことだ。

ま、これだけでも十分収穫か。

私は、フードの下で小さく息を吐くと、
足をどけた。

一応やっつけたし、あとはソウ君とその
お仲間さんに任せて自白させればいいね。

そんなことを心の中で呟いて、私は、
男に向けて一言だけ言い残した。

『じゃ、後は僕の仲間に話してね♪

 バイバイ』

あ、二言になっちゃった。

「…っ、は?な、かま…?」

さらっと爆弾発言を言い残して足取り軽く去っていく私に男は氷のごとく固まった
ままだった。

あはは、私なんかよりもっと酷いやり方
されちゃうかもね。

…ぜーんぶ、自業自得だろうけど。

仕事が終わったことを報告すべく、歩きながらスマホを操作して電話をかける。

プルルル、とコール音がして数秒後、
相手が出た。