一期一会。−1−

私を見て、言う氷室さん。

…あのさ、言いたいこと山積みなんだけど
とりあえず私をダシにして断るのやめて
くれます?

そんなことしたら、私に飛び火するじゃ
ないか。

「はぁ?…って、誰この子?」

やっぱりね。

フードの下で、バレない程度に溜め息を
こぼす。

ようやく、私を視界に入れた天使?は
じっと見定めるような眼で私を見てきた。

さ、寒気が、とビクッとしてしまう。

な、何この人…。

「…ふぅん、葵。

 この子と、付き合ってんの?」

天使?の声は、冷え切っていた。

ブラックジョークですか?

んなわけねぇだろ(本気)。

「はっ?付き合ってないよ!

 そもそもこの子は…」

動揺したら負けだぞ、氷室さん。

喧嘩腰で私に顔を近づけてくる天使?の
目は笑っていない。