一期一会。−1−

どうでもいいところに目がいく私。

もぐもぐと美味しすぎてフォークが
止まらない私に亮さんは爽やかに笑って
いた。

…でも、そっか。

ソウ君も、よくここに来るんだ。

買ってくれてる、か。

もしや、ソウ君が私の誕生日にいつも
くれるケーキって、ここの?

直感ではあったけど、当たりな気がした。

毎年めちゃくちゃ楽しみにしていたケーキ
が、“ドルチェ”のだったとは。

今度は私からソウ君にプレゼントしようと
固く決意した。

何事も縁って大事だなぁ。

「おいしい?」

『おいしい、です』

心做しか私を目に映す氷室さんは、
満足そうで。

亮さんと氷室さんの二人に見守られながら
ケーキを食べ終えると、タイミング良く
カランコロンとベルが鳴った。

…誰か来たらしい。

それは、嵐を告げる予兆だった。