一期一会。−1−

「はーい、チョコレートケーキお一つと
ショートケーキお一つね」

「おー、うまそう」

『お、おいしそう』

カタンと目の前に置かれたケーキに
思わず心の声が漏れる。

…だって、写真の何倍も実物がおいしそう
なんだもの。

ケーキの皿の端に小さなフォークを添えて
亮さんはニコリと紳士さながらの
笑みを浮かべる。

「どうぞ、召し上がりください」

恭しく頭を垂れる様は、高級ホテルの給仕みたいで、ドギマギする。

そして、顔を上げて、スッと後ろに下がった
亮さんは、ケーキを手で指して食べるように促してくる。

再現度、高すぎ…!

流石世界的なパティシエだ。

指示に従ってケーキと向き合う。

見た目も綺麗な焼き上がりをした
チョコレートケーキに溜め息がこぼれ
そうになる。