一期一会。−1−

親指を立てた亮さんは「癒やされる〜」と
ニマニマしながら厨房へと去っていった。

…よかった、チョコレートケーキ食べれる。

危うく、変な方向へ行こうとしてた。

自爆コースに突っ込みかけたね。

…というか、氷室さんはショートケーキが
好きなんだ。

勿論ということは、かなりのファンに
違いなく。

生クリームと苺は相性120%だもんね、
と内心うんうんとうなずく。

「楽しそうだね」

キョロキョロと好奇心で店内を見渡す私を
氷室さんは、からかい半分に笑う。

…楽しい、か。

言われてみて、なぜか、ストンと胸に
落ちる。

ソウ君といるとき以外で、感じたことは
ほぼなかったけど。

…でも、そうだな。