一期一会。−1−

「っ!?」

んで、パイプが当たらないところまで
低くしてから、下段回し蹴りを決める。

これは、そこまで威力はないけど、
攻撃用じゃないから別にいいのです。

「うゎっ!」

足を蹴られ、よろけた男は態勢を崩す。

その手からパイプがするっと離れたのを
見落とすことなく、すかさず奪って、
男の顔面を殴りつけた。

「がはっ」

ガンッと痛々しい音とともに、男が血反吐
を吐いて地面に伏せた。

痛いよね…でも、とことんやりますよ?

侮ると敗北のもとらしいから。

この世界はやりすぎぐらいが丁度いい。

ゲホゲホと咳き込んでる男の頭を踏みつけて、私は、再びボイスチェンジャーをセットして、尋問を始める。

まぁ、喧嘩だけして帰ってもいいけど、
まだ意識あるみたいだし、聞けるだけ
聞いとこー。  

『最近この街で暴れてる恐喝グループは
あんたら?』

「うっ、ぐ、だったら…何だよ」

痛みで呻きながら答える男に、私は、
フムと考える仕草をする。

当たりかぁ、次は何聞こうかな。