一期一会。−1−

肩書きと、スイーツがあってないのか。

黙々と考えていたら、氷室さんは私に
「スイーツ好き?」と尋ねてきた。

スイーツは、好き。

コクリと即頷いたら、氷室さんは嬉しそうに微笑んでカフェの扉を開けた。

「じゃ、入ろ」

『…はい』

カランコロンと扉についていたベルが鳴って、私と氷室さんは中に入った。

…わ、綺麗な内装!

外のレトロな感じが共通していて、
中も一昔前のアンティーク調の装飾が
施されていた。

木製のテーブルや椅子が並ぶ店内には、
一人の綺麗な顔をした黒髪で若い男性の
店員以外いなかった。