「あの人かっこいー」

「青火だぁ」

「隣の人彼女かな」

声を大にして言いたい。

違います!

イケメンかつ青火高トップの彼は
とにかく目立つ。

通り過ぎていく同世代くらいの女の子達の
視線はがっつり氷室さんを捉えていて。

頬を染めて、乙女の顔で、眺めては、
ヒソヒソと話しあっている。

あぁ、そうだ、この人めちゃくちゃ有名人でカッコイイんじゃん。

高身長だし、優しげだし、確実にモテる
タイプだ。

…たまに、腹黒いけど。

それに比べて私の地味さと言ったら。

私が隣りにいるなんておこがましいよね。

フード被ってるから、まだセーフだけど、
バレたら嫉妬で殺されちゃいそう。

女っていう生き物を舐めたらいけない。