突然帰り道に待ち伏せして、話しかけてきた氷室さんは、私に自分のパーカーを
被せてどこかへ歩き出していた。

…パーカー。目立つから?

噂が立つのを避けるためにわざわざ
くれたんだ。

「行こう」

私の方を振り返って優しく笑う氷室さん
からは危険なオーラはなく、少し躊躇ったものの、ついて行くことにした。

…どこへ行くつもりなんだろう?

人気のない通学路から、人が多い道路へ
出て私をさり気なく通路側にのけると、
車道側を歩く氷室さん。

紳士か!