《第1話〜3話プロット》

・第1話
 魔女の末裔ロロナは、御歳19歳。ルートン王国の片隅にある魔物の森でひっそりと暮らしている。自給自足、たまに近くの街に出て買い出しをしながら過ごす日々。
 母親が死んでちょうど1年が経ち、このまま一人で生きるのかと漠然と考えるようになる。
しかし、自分が外の世界と関わるのはかなり危険なことで、その理由は先祖の魔女が行ったことにあった。
 約200年ほど前。当時のルートン国王と一人の魔女は、恋仲だった。魔女はルートン国王と添い遂げる覚悟でいたが、国王は一時の火遊びと言わんばかりに魔女を捨てる。
 傷ついた魔女は国王に呪いをかけ、そしてその呪いはルートン王家の男児に伝わるように仕掛けられていた。

・第2話
 呪いは国家機密とされていたが、3年前に即位した現ルートン王国国王は、その呪いのすべてを国民に告白する。
 その目的は、国民を味方につけて呪いを解く魔女を捜し出すことにあった。王族の御身を脅かしたと、魔女の所業は一気に国中に広まり、世は魔女狩り真っ只中となってしまう。
 呪いは解きたいけれど素直に名乗りを挙げれば、国民から何をされるかわからない。
 そのためロロナは、こっそりとルートン国王に近づき呪いを解かせて欲しいと話を持ちかけることを決めた。
「呪いの魔女には同情するけれど、だからって子孫にまで呪いが反映するのはよくないよね。決めた、私の代で呪いは終わらせよう!」
 こうしてロロナは決意し、王都を目指すのであった。

・第3話
 灰色髪を亜麻色、赤い目を水色にして、ロロナは魔法で魔女の色を消す。
 旅を楽しみながら王都に到着したロロナは、陛下に近づける可能性が高い魔導師団に入団することを決める。
 春ということで、ちょうど入団試験が行われていると知り、ロロナはダメ元で飛び込み参加を申し出る。
 本来なら門前払いなのだが、ロロナを対応したのが魔導師団長のリヴァルであり、特別に試験参加の許可が出た。
 試験に参加はできたが、特別扱いはできないということで、ロロナの試験内容は魔物との実践に変更される。
 中級の魔物は魔導師団員でも一人で対処できない者が多い中、ロロナは魔物の森で培った実力で見事吹っ飛ばす。
 それを見ていた周囲は、ロロナの入団を反対するはずもなく「とんでもねー新人がきた」とザワつくのだった。