大嫌いの先にあるもの

「春音、おばあちゃんの前でした話だが。今すぐに結婚して欲しいという事じゃないんだ。春音が大学を卒業して、自分の道を進んだ後でいいから。今日はね。おばあちゃんに、これからも春音と一緒に暮らす事を認めて欲しくて、ああ言ったんだよ」

そうだったんだ。
黒須の言葉にほっとした。

「……その、プロポーズは、春音が僕を受け入れてくれそうな時期を見計らって、ちゃんとするから」

照れくさそうに付け加えた言葉にキュンとした。
私の気持ちを黒須はちゃんとわかってくれている。

「ありがとう、黒須」

黒須の隣に立って、大きな手を握った。
優しい体温が伝わってくる。ずっとこの先もこの手を握っていきたい。

「私、黒須とちゃんと釣り合うように自分の事出来るようになるから、だから待っててくれる?」

「今のままでも春音は素敵だけどね。春音の隣で、待ってるよ」
「うん」

大きく頷くと、黒須がキスしてくれた。
重なった唇が私を好きだと言ってくれてるみたい。

黒須が大好き。
昨日よりも、ずっと、ずっと大好き。

きっと明日はもっと好きになっている。

終わり