大嫌いの先にあるもの

誰?

ドアを開けた男の顔を見て思った。
髪と瞳の色がブラウン色のグレーのスーツの男性。堀の深い顔は日によく焼けてて小麦色だった。

「立花春音さんですね?」

少しアクセントの怪しい日本語で聞かれて、頷いた。

「中にどうぞ。今、ミスター相沢から話を聞いている所です」

中に入ると、ソファにワイシャツ姿の相沢さんと、黒スーツ姿のオレンジ色の髪の女性が座っていた。

「立花さん、起きたんですか?」

相沢さんが心配そうな表情を向けた。

「相沢さん、黒須は……黒須はどうなりましたか?」

相沢さんが微笑んだ。

「こちらの方たちの所で保護されているようです」
「保護……?」

訳がわからず、スーツの2人に視線を向けると、身分証を見せてくれた。

「FBIのジョンソン捜査官と、ロペス捜査官です」

FBI……?

「ミスター・クロスの身柄は我々が保護していますので、ご安心下さい」

男のロペス捜査官が日本語でそう言った。

黒須……。生きていた……。
良かった。

でも、なんでFBIが黒須を?