「急に何をす……」
ワルサーを向けると、デヴィッドが青ざめた。

「お、おい。やめろ。人に銃は向けるもんじゃないって言ってたよな」
デヴィッドが降参するように両手を上げるが、そんな事はどうだっていい。

「お前が美香を……」
安全装置を外し、トリガーに指をかける。

「お、おい。本気じゃないよな」

「さっき言っただろ。僕はこの5年間、怒りを溜めて来たって。これで復讐が終わる」

「俺を殺したら足がつくぞ」

「どうせこの車にスコップとか積んでるんだろ。僕の死体を埋めるつもりだったから。同じ事を僕がするまでだ」

「や、やめろ」

「地獄に落ちろ」

憎しみのままトリガーを引いた。
銃声が響く。