「なんだクロスってアメリカ人なんだ。日本人にしたら英語が上手いと思ったら」
キャサリンが可笑しそうに笑った。
寝ると言っていたキャサリンだったが、少しもそんな様子は見せず、一時間程、車を走らせると話しかけられ、自然と身の上話になった。
「僕は日系アメリカ人という事になるのかな。父方が日系アメリカ人で、母は純粋な日本人だよ」
「ふーん、ご両親は健在なの?」
「ニューヨークで暮らしてる」
「ニューヨークのクリスマスは好きだな。ロックフェラーセンター前のクリスマスツリーを見に行った事があるの」
ジャニスのアルバムにその写真があった事をふと思い出した。
「もしかしてジャニス・ウォーターと面識ある?」
キャサリンが急に黙る。
「誰それ?」
「デヴィッドの幼なじみで、僕の妻の友人だよ」
「クロス、結婚してるんだ」
「妻は五年前に、ジャニスとほぼ同じ時期に亡くなったんだよ。妻はおそらくジャニスから何かを預かり、それが原因で殺されたと思っている」
「奥さん、殺されたの?」
「強盗に銃で撃たれてね。強盗は妻が偶々そこにいたから犯行に及んだと供述していたが、嘘だ。ジャニスから預かった物を美香が持っていると知ったから探しに来たんだ」
「何を預かったの?」
「そこまではわかっていない。だからデヴィッドに会いに行くんだ。ジャニスに何を預けたか突き止めたい」
「それが本当だったら、デヴィッドのせいで2人が死んだ事になるね」
「その通りだ」
「デヴィッドにあったら殴る?」
「一発ぐらいは殴ってやりたい」
「綺麗な顔して、そんな事言うんだ。クロスは野蛮だね」
「僕はずっと怒りを溜めて生きて来たんだよ。この五年間、美香の理不尽な死にずっと怒って来た」
「デヴィッドを殺したい?」
「許されるなら」
「怖いね。クロスって」
キャサリンはそう言って、笑い出した。
何が可笑しいのかいかつい肩を震わせ、腹を抱える程、笑い続けている。
笑っている姿が少し異様だった。
キャサリンが可笑しそうに笑った。
寝ると言っていたキャサリンだったが、少しもそんな様子は見せず、一時間程、車を走らせると話しかけられ、自然と身の上話になった。
「僕は日系アメリカ人という事になるのかな。父方が日系アメリカ人で、母は純粋な日本人だよ」
「ふーん、ご両親は健在なの?」
「ニューヨークで暮らしてる」
「ニューヨークのクリスマスは好きだな。ロックフェラーセンター前のクリスマスツリーを見に行った事があるの」
ジャニスのアルバムにその写真があった事をふと思い出した。
「もしかしてジャニス・ウォーターと面識ある?」
キャサリンが急に黙る。
「誰それ?」
「デヴィッドの幼なじみで、僕の妻の友人だよ」
「クロス、結婚してるんだ」
「妻は五年前に、ジャニスとほぼ同じ時期に亡くなったんだよ。妻はおそらくジャニスから何かを預かり、それが原因で殺されたと思っている」
「奥さん、殺されたの?」
「強盗に銃で撃たれてね。強盗は妻が偶々そこにいたから犯行に及んだと供述していたが、嘘だ。ジャニスから預かった物を美香が持っていると知ったから探しに来たんだ」
「何を預かったの?」
「そこまではわかっていない。だからデヴィッドに会いに行くんだ。ジャニスに何を預けたか突き止めたい」
「それが本当だったら、デヴィッドのせいで2人が死んだ事になるね」
「その通りだ」
「デヴィッドにあったら殴る?」
「一発ぐらいは殴ってやりたい」
「綺麗な顔して、そんな事言うんだ。クロスは野蛮だね」
「僕はずっと怒りを溜めて生きて来たんだよ。この五年間、美香の理不尽な死にずっと怒って来た」
「デヴィッドを殺したい?」
「許されるなら」
「怖いね。クロスって」
キャサリンはそう言って、笑い出した。
何が可笑しいのかいかつい肩を震わせ、腹を抱える程、笑い続けている。
笑っている姿が少し異様だった。



