大嫌いの先にあるもの

春音は戸惑いながらもキスを受け入れた。

一度目は軽く唇を合わせ、二度目は深くつながった。柔らかな唇をなぞるようにキスをし、一つになっていくような感覚に胸の内側が震えた。小さかった火がどんどん大きくなっていく。

春音が欲しい。もっと欲しい。

舌を絡ませると春音は驚いたように体を硬くした。

その瞬間、我に返り、春音から離れた。

「あ、あの……おやすみなさい」

春音は小さな声でそう言うと逃げるように書斎から飛び出した。

自分が信じられなかった。

妹同然の春音になんて事をしたのか……。

僕はどうしたんだ?