大嫌いの先にあるもの

肘をついて、こっちを見る黒須の顔がすぐ近くにあった。

「おはよう」

切れ長のキリッとした目と合うと、そう言われた。

「おはよう……ございます」

黒須がぷっと笑った。

「なんで敬語?」

「いきなり朝だったからびっくりして、その……」

「アラーム鳴っていたよ」

黒須から私のスマホを渡された。

よく見ると黒須と同じベッドに寝ていて、黒須はまだ横になったままの態勢でいた。

服装は昨夜のワイシャツとスラックスに見える。
そしてここは黒須の寝室……。

あれ?

昨夜、何があった?