最強さんは魔術少女を溺愛したい。③ ~恋バトル本格開始の合図は生徒会加入~

 その証拠に、栞の瞳からはたくさんの涙が溢れている。

「で、でもっ、私はずっと、新さんを騙して一緒にいてっ……。何回謝っても謝り足りませんっ……。」

「本当にお前は、人の事ばっかりだな。」

 謝るなって、さっき言っただろ?

 俺は謝罪なんていらない。むしろこっちが謝らなければならないんだ。

 また栞を怖い目に遭わせてしまった。これじゃあ、来栖の時の二の舞だ。

 栞を引き寄せて、背中を規則正しくポンポンと優しく叩く。

 その時に栞が、涙声で小さく呟いた。

「な、何で新さんはこんなに優しんですかっ……!こんな、ずっと騙してた私にっ……!」

 必死に俺に縋るように泣いている栞に、ため息が溢れ出てしまう。

 ……本当に、どこまでお人好しな奴なんだ。

「騙されただなんて思ってない。お前の事情は分かってるから、ほら、泣き止め。」

 だが栞は、信じ切れていないのか眉の端を下げている。

 ……くそっ、可愛すぎだろっ……。

 そんな本心を隠し、余計な心配をしているだろう栞にこう言う。

「俺が優しくするのは、“お前”だからだ。何回も言ってるだろ?」

 本当の姿の元宮神菜でも、仮の姿の柊木栞でもなく……俺は“お前”だから好きになったんだ。