最強さんは魔術少女を溺愛したい。③ ~恋バトル本格開始の合図は生徒会加入~

 焦っているような、急いでいるような……。

 その理由は分からないけど、大変なら生徒会加入……してみたい。

 だけど私の独断で決めて良いことじゃないよね……。新さんには絶対に言わないと。

 私はそんな決心を固めながら、中庭へと入っていった。

 そこにはやっぱり、いつもと同じようにベンチに座っている新さんが視界に飛び込んできた。

 急いで新さんの元へ向かって、挨拶をして頭を下げる。

「新さんっ、お待たせしましたっ!」

 考えながら来てしまったから、いつもより少し遅くなってしまった。

 私はそんな自分を反省しながら、新さんのほうを見る。

 ……ん?新さん?

 その時に、新さんの様子がいつもと違うことに気付いた。

 何かを考えこんでいるような、そんな感じ。

「新さん?どうしたんですか?」

 気になって新さんにそう聞いてみる。

「……あぁ、悪い。考え事をしていた。」

 新さんは私の声に気付いて、そう返してくれた。

 考え事?新さんが悩むなんて、どれだけ大きな悩みなんだろう?